冬至(とうじ)
12月22日(月) 第22
12月22日~1月4日までの時間帯
一年で夜の長さがもっとも長くなる日。
陰陽が転じ、陽光の予感へと動き始めながら
厳しくなる寒さに、静寂が深まる「冬至」の時間帯。
年の底、年末。
大きな時間の切り替えを前に、
仕事や家事、新年の準備に追われ、
心の中ではどこか「ざわざわ」と落ち着かない。
イベントや街の美しいイルミネーションに
浮き立つ気持ちもあるのになぜか
ちょっとちぐはぐになると、
ふと沈み込んだりしてしまいます。
ほっこりすれば、すべてが整う~
なんてことが起こればいいな。
冬至の季節には、朝、昼、晩、
思い立ったら邪気払いのティータイム
黄山貢菊茶(こうざんこうぎくちゃ)お勧めします。
黄山貢菊茶は、中国安徽省産。
その名の通り世界遺産の黄山地区で採取された
菊花を乾燥させた花茶(茶外茶)です。
乾燥した白い花びらにお湯を注ぐと、
生花のように花びらが広がり、
さわやかで上品な優しい香りが周囲に漂います。
味はほのかに甘く、
すっきりとした清涼感が残ります。
漢方の世界では「上薬」と知られ、
「清熱明目(せいねつめいもく)」、
つまり身体にこもった余分な熱を取り除き、
目を健やかに保つ働きがあることで知られています。
漢方で「上薬(じょうやく)」とは
生命を養い副作用がなく長期間使える
「上品(良い品)」なものを指すそうです。
カフェインを含まないので、朝夜と
時を選ばずに気軽にいただけるのもうれしいですね。
デジタルデバイスに囲まれ、
パソコンやスマートフォンの画面を見続けている我々。
心強い味方にして、楽しみましょう。
冬にこのお茶を最大の味方にするには、ホットで淹れること。
菊花茶3g に対し 約80℃程度の湯を用意し
130ml の 温めたカップやポットに菊花を入れ
熱湯を注ぎ、蓋をして1-2分蒸らして
花びらが開き、お湯が淡い黄色に色づいてくれば
飲み頃でしょう。
※4~5回程楽しめます。
菊花には微かに体を冷やす性質があります。
昨年の小暑にひえひえの「はちみつ菊化茶」を
ご紹介したことをご記憶の方はおられるでしょうか?
まさにその性質を生かしたやさしい常備茶でした。
ホットでいただく菊化茶は
熱い湯で香りが充分に立ちますし、
アロマの成分が充分発揮されます。
リラックス効果も高まりますね。
さらに、冬至の養生を言えば…
「内側から温める素材」を選び
自由に組み合わせるというのいいかもしれません。
はちみつ、金柑やレモンなどの柑橘。りんご。
生姜や中華食材のクコの実、棗(なつめ)。
ドライフルーツのプルーンもよさそう。
一粒、ひとつまみ、ひとさじを
お好みで加えた「養生の一杯」
ベースとなるお茶を淹れた後で
菊花を加えるというのも、おいしく楽しい使い方です。
紅茶、プーアル熟茶、
焙煎をちょっときかせたお茶が
冬場には特によさそうです。
厳しい雪に閉ざされ、保存食を食いつなぐ冬ごもりの時間を、
春が来たらすぐに動き出せる身体を作る「積極的な休息」と捉えた
古来の人々の考え方には、
精神的な落ち込みを防ぐ効果も
あったのではないかなと思います。
一年中室温をコントロールし、食べ物も
真冬にフレッシュな野菜や果物を手にできる
便利になった現代であっても
いや、便利になった今だからこそ
意識して季節を感じてひと時を楽しむことが
より大切になっているのかもしれません。
リムテー、お茶にしよう。
その輪には、誰もが出入り自由です。
立ち上る湯気と香りが、
一年、一日の邪を払う
この菊花を咲かせた一杯で、
何を描こうかワクワクするような
真っ白いキャンバスを
ご自身の中に作り出せますように。
黄山貢菊茶
※2年間24節気を通して
シリーズでお茶のご紹介をさせていただきました。
月替わりにご案内するお茶も始まりましたので、
この冬至を区切りとして、暦は終了となります。
拙い文章にお付き合いくださり
長い間、ありがとうございました。
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